内祝いの「のし」!「のし」の書き方徹底解説!

古くから日本で受け継がれてきた内祝いなどで使われる「のし(熨斗)」の書き方には一定のルールがあります。

「のし」って何?と思われる方もおられると思います。私たちが生きていく上で「のし紙」は節目々の場面において必ず必要となるものです。

「のし」の書き方を覚えておくと、人との付き合いもスムーズにいきます。今回は「のし」の書き方について徹底解説。

 

内祝いで使う「のし」って何?

「のし」とは内祝いや慶事に使われる薄く伸ばした干した鮑のことです。干した鮑を「のし鮑」といってそれが「のし」になりました。高価な鮑は昔から不老長寿の食べ物として重宝がられています。

古くから鮑は長寿の象徴の祝い事の縁起物として慶事に必ず使われてきました。室町時代は、お祝いごとや出陣式のときの儀式に欠かせない肴として使われていたのです。

現代は「のし」は「のし紙」の中央より右横上にある和紙にくるまれた「のし鮑」が印刷され、横の中央には水引が印刷され、これを「のし紙」といっています。

 

「のし紙」には慶事用と弔事用があって、「のし鮑」の印刷された「のし紙」は一般的に慶事用に使われるものです。弔事用の「のし紙」には「のし鮑」は印刷されていません。

「のし紙」には「のし鮑」と「水引」が印刷されていますが水引の種類は大きく分けて3種類です。

 

  1. 蝶結び(花結びともいう)/人生において喜びは何度起こってもよい

出産・栄転・お礼など

  1. 結びきり/人生において一度だけであってほしい

婚礼・全快祝い・弔事など

  1. あわじ結び/末永くお付き合いができればよい

婚礼用(10本の紐)・快気祝・お見舞いなどの慶事・弔事に用いられる

 

一般的に使われる水引は「蝶結び」と「結びきり」です。婚礼によく使われるのは10本の「あわじ結び」で、慶弔どちらでも使えて「蝶結び」か「結びきり」か迷うときに使うとよいでしょう。

弔事用の仏事では生臭物の魚介類や肉類などは贈り物にしないため「のし紙」に「のし」が印刷されません。慶事用の贈り物には生臭物の代表の鮑を添えますが、生臭物を贈るときはそれ自体が「のし」になっているので「のし」を付ける必要はありません。

 

内祝いに使う「のし」の書き方は?表書きと名入れのルールとは?

内祝の「のし」に書くルールがあります。水引が「のし紙」の横中央に印されていて、水引より上に書くのが表書きです。下に書くのが名入れといいます。

「表書き」には「内祝」「寿」と書くのが一般的です。その他に「結婚内祝い」「出産内祝い」「快気祝」「新築内祝」などがありますので一つずつ見ていきましょう。

 

・結婚内祝い

一般的に結び切り(あわじ結び)を水切りに使い、表書きには内祝・寿と書きます。4文字を嫌われる人がいるので「結婚内祝い」のような5文字を使うとよいですが「結婚内祝」と書いても間違いではありません。

名入れは夫婦の連名(名前のみ・夫婦の姓名・新姓のみ)で表書きよりやや小さめの文字を使います。

・出産内祝い

水引は紅白の蝶結びで、表書きは内祝・出産之内祝・出産内祝いなど書いて名入れは子供の名前とフリガナを付けます。

・快気祝

水引は紅白の5~7本結びきりを使い、表書きは快気祝・快気(之)内祝・快気内祝いなどと書いて名入れは快復した本人の姓名を書きます。

・新築内祝い

蝶結びを水引に使い、表書きは新築(之)御祝・新居(之)御祝・御礼・新築内祝いなど書き名入れは送り主の姓名を書きます。

 

文字は毛筆や筆ペン・サインペンなどを使用して濃い墨ではっきりと楷書で書きますが、黒インクやボールペン・万年筆などはマナー違反です。

 

内祝いに使う「のし」の書き方は?連名の書き方とは

 

名入れをするときに、夫婦連名やそのほか結婚祝など連名で書くときがありますがその書き方の解説。

 

・結婚内祝い

新郎新婦を結婚内祝いで紹介するものなので、名入れには新郎の名前を右、新婦の名前を左に連名で書くのが一般的です。地方や相手の家によっても考え方が違うので、ご両親に相談されるのが一番よいでしょう。

 

その他に、夫婦の名前のみ書いてもよいです。また、新姓を中央に書いて、バランスを考えて新郎の名前と新婦の名前を書きます。

 

・新築内祝い

新築内祝で二世帯住宅などのように苗字が複数になる場合は、向かって右側から、年齢が高い順に親の苗字が右側に来るように書くとよいでしょう。

 

内祝いに使う「のし」の書き方は?旧姓の書き方について

近年は働く人たちも多くなり職場に内祝いを贈られる方も増えてきました。新姓を結婚後も使わない人もおられ旧姓を通される方も見かけます。旧姓は原則的には「通称」なので「のし」には必ず新姓で書きましょう。

 

新姓では誰から贈られたか分からないから旧姓で書きたいという人も、新姓と名前を書いた横に小さく旧姓を書き、発送伝票や手紙などに言葉を添えるとよいです。

まとめ

「のし」とは「のし鮑」のことで内祝いの「のし」の書き方にもルールがあることが分かりました。間違って使用すると相手に不快な思いをさせますので、一般的な決まりを最低限知って贈り物を贈りたいですね。