早く治して仕事や活動に影響させたくない・・・二日酔いの日は気も頭も重いものですね。
しじみと言えば二日酔いに効くというイメージが強いですが、ビタミン、ミネラル、アミノ酸が豊富に含まれており、小さいながらもすごいパワーを持った食材。しかもたっぷりのうまみ成分が含まれているためとてもおいしく頂ける優れ物です。
アミノ酸たっぷりのしじみの味噌汁
江戸時代は、江戸の街では朝しじみ売りが来ていたそうです。江戸ではしじみは殻ごと、大阪ではむき身が主流でした。江戸中期に出版された『食品国家』という本にもしじみは二日酔いに効くと記述されていたとか。生活の知恵とはよく言ったものですね。
しじみにはオルニチンが豊富です。オルニチンはアミノ酸の一種で、肝臓の働きをサポートします。アルコールを飲むと体内でアンモニアが増加しますが、オルチニンはアンモニアを無力にするため、二日酔いも改善されるのです。
また、アンモニアが体内にあると疲労を感じますが、アンモニアをオルニチンが尿素に促していくため、疲労回復が早くなります。そのようなしじみの働きを昔の人は体で感じていたのですね。
しじみに含まれているアミノ酸はオルニチンだけではありません。タウリンという、ホメオスタシス作用が期待できるアミノ酸を豊富に含んでいます。ホメオスタシス作用というのは恒常性維持作用のこと。つまり、体内の状態を外部からの影響をできるだけ受けずに一定に保つ作用です。例えば、外が40度以上でも、零下でも人間の体温はいつも36.8度前後を保っています。そのような作用に利用されるアミノ酸がオルニチンです。
プラスお味噌には必須アミノ酸がとっても多く!含まれていますから、しじみの入った味噌汁はアミノ酸が豊富で最強。ところで、しじみの入ったお味噌汁はとてもおいしいのですが、しじみを食べていますか?ここで心配なのは、しじみを食べなくてもオルニチンやタウリンを摂取してるのかどうかです。
実は、オルニチンもタウリンも水溶性ですから、味噌汁を飲むだけでも十分体に取り入れられるのです。おまけに、しじみに含まれるコハク酸で、汁に旨味が出て来ます。コハク酸は旨味だけではなく、コレステロールを改善することも期待されます。しじみの身を食べない場合は、しじみは水から茹でるようにしましょう。反対にもし身を食べるのであれば、しじみの身が硬くならないようにお湯から茹でるようにしましょう。
しじみの入った味噌汁に豊富なビタミンは?
実はビタミンEがしじみにも味噌汁にも豊富に含まれています。ビタミンEは抗酸化作用のあるビタミンで、活性酸素を抑える働きをするため、老化防止が期待できます。その上、血行を良くする効果が期待できるため、肌が生き生きし、冷え性やむくみ、肩こりなどに悩んでいる方にもぴったりです。
そしてビタミンB12。しじみにも味噌にもビタミンB12がたっぷり含まれています。そのため、しじみの味噌汁を頂くとビタミンB12を十分に摂取できます。ビタミンB群は、ファーストフードなどのみの食事をしていると不足しがちな栄養素です。実は腸内でも合成されるビタミンですが、なんらかの原因で作られなくなり、不足すると神経系統に影響があります。
例えば、ビタミンB12が不足はうつ病の原因であることがわかっています。末梢神経にも関連しており、不足は末端のしびれの原因です。アルツハイマーや認知症予防にも効果が期待されます。また、ビタミンB12は鉄分吸収をサポートするため、ビタミンB12が不足すると貧血になる可能性があります。その他、眼精疲労にもビタミンB12の効果が期待できます。
しじみにはビタミンB1も豊富であることがわかっています。ビタミンB1は玄米などに含まれているビタミンです。日本では玄米がビタミンB1の供給源であったため、元禄時代の江戸で精白された米を食べるようになったことが原因で脚気が増えました。当時は脚気を「江戸病」と呼んでいました。
現代の食生活も気をつけないとビタミンB1が不足しがちです。ビタミンB1が不足すると疲労感や足のむくみなどの症状が出てきます。
しじみの味噌汁はミネラルがたっぷり
しじみはミネラルもたっぷり含まれています。まず、カルシウム。カルシウムは、ほとんどの人が知っている骨を作る成分です。しじみはカルシウムをあさりの6倍も含んでいます。カルシウムは骨を作るだけではありません。
カルシウムは、脳神経を穏やかにする働きがあります。そのため、カルシウムが不足するとイライラしてしまうのです。もちろん、カルシウムを摂らないから即イライラが始まるわけではありません。カルシウムは骨に貯蔵されているため、脳を穏やかにするために、骨に蓄積されたカルシウムを使います。
しかし、いつもイライラしているとカルシウムをどんどん使って骨が弱くなってしまいます。ですから、ストレスの多い人はできるだけカルシウムを摂取した方が良いのです。
しじみの身には鉄分がたっぷり含まれています。鉄は血液に含まれるヘモグロビンを作るために必要です。ヘモグロビンによって酸素を運ぶので、ヘモグロビンが不足すると酸欠状態になり、めまいを感じるなどの症状が現れます。つまり、鉄欠乏性貧血です。
鉄はヘモグロビンを作るだけではなく、美肌効果や感染症などへの抵抗力をつけます。女性は特に鉄不足になりやすく、月経の前や妊娠中は特に気をつけて、鉄分を摂取したいですね。
しじみは冷凍できる?栄養は?
しじみはかなり栄養豊富な食材です。しじみを味噌汁にすると健康や美容に効果がありそうです。しかし、貝類はなんとなく面倒と感じる人が多いのではないでしょうか?
特に面倒だなと感じることは下処理です。しじみなど貝類は、砂抜きをする必要があります。濃度1%の塩水に浸して、砂を吐き出させなくてはいけません。3時間以上浸すことで、身を食べたときに砂を噛んでしまうということがなくなります。
この下処理をまとめてして、冷凍しておくと便利です。そのまま熱湯に入れて戻し、気軽にしじみの味噌汁が頂けます。冷凍したら栄養がなくなるのではないかと心配する方もいるでしょう。
しかし、冷凍によって栄養が失われることはありません。オルニチンは、冷凍によって倍増するいう報告もあります。冷凍は1回分ずつ小分けにして、週に一度はしじみの味噌汁を食卓に載せましょう。
まとめ
日本で昔からしじみが元気食として有名で親しまれているのは、こんなにも豊富で体に良い栄養素が含まれているからなんですね!しじみは年中販売されている食材です。食事の頻度を上げて一層の健康を目指してみませんか?
美噌元コラム監修。株式会社諸国美味。
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著書
2013年に「味噌汁専門店の 具だくさん味噌汁100」を監修。
2018年に「味噌汁専門店のおかず味噌汁100」を監修。
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