結婚の内祝い「のし」はどう書いたらよい?マナーについて教えて?

 

 

日本には古くから伝わる礼儀作法があります。礼儀作法の基本は「人を思う心つまり愛」があることです。相手に尽くすこと、相手を大切に思っている心があることで、日本のマナーは作られています。

結婚の内祝いに使われる「のし(熨斗)」にも、書き方やかけ方にマナーが存在しているのです。「のし」とは?

人生における節目々で必要な行事における礼儀作法の一つといえるでしょう。結婚の内祝いの「のし」について詳しくマナーを解説いたします。

 

 

結婚の内祝いなどで使われる「のし」とは?

鮑を古くから日本では縁起物として神に供物し、長寿をもたらす食べ物として伊勢神宮にも奉納され慶事のときに使われてきました。

鮑をスライスして打ち伸ばし干したものが「のし鮑」です。これを「のし」といって現代では「のし紙」に印刷し慶弔の行事のときに使われています。

室町時代には一般の庶民の間で出陣式や儀式に欠かせない肴として祝い事に使われるようになりました。「のし」は高価な貴重な食べ物として慶事の行事には欠かせないものとなっています。

古来贈り物にかけ紙をかけ、かけ紙が落ちないように水引で縛り、かけ紙の中央の右上に「のし」を添えていました。

慶事には儀式の肴として「のし」が使われ「のし」と水引が印刷されたものが「のし紙」です。そして

人々の間の贈り物には「のし紙」がマナーとして使われるようになりました。しかし、弔事の贈り物にはこの「のし鮑」の「のし」は使いません。

このように、「のし鮑」は慶事の贈答品のみに使われ、弔事の贈答品に掛ける「のし紙」には印刷されていません。弔事用の「のし紙」は水引だけが印刷されたものです。

「のし」は生物以外の贈り物に使います。生ものにはそれ自体が「のし」の代わりになるのでつけません。

 

結婚の内祝い「のし」の選び方は?

結婚の内祝いに「のし」を選ぶときに注意することは、間違っても水引は蝶結びを選ばないことです。蝶結びには「何度でも繰り返し起こってほし」と意味が込められていますので注意しましょう。

結婚の内祝いの「のし」を選ぶとき「のし紙」は紅白の結びきり(あわじ結び)の慶事用を選びます。結びきりには「人生において一度きりで二度と繰り返したくない」という意味が込められているので紅白の10本の結びきりがよいです。

あわじ結びの「のし紙」であれば「これからも長くお付き合いできる絆を深くする」意味があるので結婚の内祝いには10本のあわじ結びの紅白の「のし紙」を使うとよいでしょう。

 

結婚の内祝いの「のし」に書く表書き・名入れは?

表書きというのは水引の上の段を言い、名入れとは下の段のことです。この、表書きに書くマナーは地域の慣わしなどにも異なりますが、結婚の内祝いの場合一般的な書き方としては、表書きの中央に「内祝」「寿」「結婚内祝い」などと書きます。

人や地方によって4文字を嫌う方がいるので「結婚内祝い」のような5文字を使うとよいですが4文字でも間違いではありません。

名入れのところには夫婦の姓名を書きます。書き方としては

 

 

姓のみを書く(例 令和)

  • 名前のみを書く場合(例 太郎・花子)
  • 新姓と名前を書く場合(例令和 太郎 花子(旧姓平成))
  • 旧姓を書く場合(例令和太郎・平成花子)
  • 両家の姓を書く場合(例 令和家・平成家)  です。

 

職場で結婚の内祝いを贈るのに旧姓を使われる方が近年増えていますが、「のし」に書く場合は旧姓ではなく新姓を書くのが原則です。旧姓は自分の新姓と名前を書いた横に小さく書くとよいでしょう。

一般的に新郎が右に来るよう書きます。新姓+名前を書くときは姓を表書きの下に書いて名前をその下にバランスよく新郎・新婦の名前を書き、また、中央に新郎の氏名その右に新婦の名前を書くのが一般的です。

書くものは毛筆かマジックペンで書き、ボールペンやペンで書くのはマナー違反です。

 

結婚の内祝い「のし」の掛け方はどっち?

結婚の内祝いに使われる内のし・外のしの掛け方のマナーにはいわれがあるのです。

 

・内のし

贈り物に直接掛けてその上から包装するのが内のしです。内祝いに内のしが使われるのは、相手に感謝する気持ちがある場合内のしにするので結婚の内祝いに使います。

差し上げるプレゼントや贈答用品でも、郵送するときは「のし」が破れないように内のしです。

 

・外のし

贈り物を包装して一番後に「のし」を掛けるのが外のしです。外のしはお礼という意味ではなく贈りものやプレゼントの場合に掛けます。ですから結婚祝いは外のしになるでしょう。

外のしは外から誰が何の目的で何を贈ってくれたものか一目で分かるため掛けるものです。贈り物が「のし紙」より小さなとき裏側で重ねなければなりません。

それにもルールがあって慶事のときは裏側の上に対して向かって右側の「のし」を上に重ね、弔事のとき裏側は上に対して向かって左側を上に「のし紙」重ねます。

 

まとめ

結婚の内祝いに使われる「のし」の書き方やかけ方について、一般的なマナーを解説してきました。地方によって違いがありますが、基本にあるものは人を思う心があるかどうかということです。